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皆さんこんにちは!
株式会社晋林業、更新担当の中西です。
目次
同じ木でも——等級・含水率・寸法精度・表面品質で値段は数割変わる。
本稿では、JAS等級の基本から乾燥・狂い対策・単価UPの営業ロジックまでを体系化します。
| 区分 | 内容 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 目視等級 | 節・割れ・曲がり・年輪幅などを外観で判定 | 造作・内装・意匠向け |
| 機械等級(E等級) | ヤング係数(E値)で強度を評価 | 構造用集成材・梁・柱など |
構造材:強度・含水率・寸法安定性を重視
内装材:色味・木目・節の表情・表面仕上げが決め手
💡「強度で選ぶ構造材」「表情で選ぶ内装材」——評価軸を分けて設計・提案する。
| 区分 | 内容 | 特徴・留意点 |
|---|---|---|
| AD(天然乾燥) | 風乾で自然乾燥 | コスト低/風合い良/バラツキ大/時間長 |
| KD(人工乾燥) | 短期間で狙いの含水率に乾燥 | 寸法安定/内部割れ管理が鍵 |
| SD(表面・低温乾燥) | 低温で水分除去 | 色・香りを活かす内装用途に◎ |
構造材の含水率目安:15%前後
内装材の含水率目安:10〜12%
気候帯・施工時期により再吸湿を想定し、**再湿平衡値(EMC)**を考慮。
📍 含水率は「不具合率の逆数」。数%のズレが数万円のクレームを生む。
材取り設計:
丸太の取り方(芯持ち/芯去り・柾目/板目)で節や割れ位置が決まる。
表面加工:
超仕上・プレーナー・サンディング・面取りで**単価+3〜5%**も可。
色合わせ:
ロット内の色差ΔE測定でムラを防止→返品率低下。
🌈 「見映えを設計する」ことで、品質もクレーム率も同時改善。
寸法許容差を製品仕様書に明記(例:±1mmなど)
納入前にゲージで全数チェック
狂い(反り・ねじれ・曲がり)対策
乾燥プロファイル+桟積み設計+出荷時の梱包圧で抑制
端割れ防止:エンドシール・端面テープでコスト数十円→クレーム激減
⚙️ 寸法と端部品質の管理は、“ブランド差”を作る最初の一歩。
表示項目:
等級/含水率区分/寸法/樹種/生産者番号
ロット管理:
出荷書・ラベル・写真台帳・試験記録を1ロット単位で紐付け
トレーサビリティ:
現場から施工現場までQRコード管理で追跡可能に
🔍 「1本の木の履歴を追える」会社は、輸出・公共調達で評価が跳ね上がる。
設計者・施工者向け:
「含水率15% vs 25%」での狂い・隙・手戻り率を数値比較。
→ “コスト差<手戻り損失”を明示し、KDや機械等級の価値を説得。
施主・消費者向け:
色・手触り・香りなど感性価値を言語化+写真+サンプルで訴求。
💬 “安い木”ではなく“長持ちして美しい木”を提案できる営業が強い。
| 管理項目 | 測定・基準 | 管理方法 |
|---|---|---|
| 含水率 | ピン式/電磁式 | 出荷前10本抜取 |
| 強度 | 曲げ試験・E値 | ロット試験 |
| 外観 | 節・割れ・色 | 目視+撮影 |
| 不良率KPI | 不良率/返品率/納期遅延率 | 月次レビューで改善 |
📈 “感覚”から“データ”へ。品質を数字で語ることが単価アップの土台。
1️⃣ 出荷前に含水率10本抜き取りをルール化
2️⃣ **寸法ゲージ+端割れ対策(エンドシール)**を標準化
3️⃣ ロットQRコードで写真台帳・検査記録をリンク管理
木材の価値は外観と強度だけでなく、記録と一貫性。
含水率・寸法・等級を可視化できる会社=選ばれる会社。
データで品質を説明できれば、値引き交渉は減り、リピートが増える。
「木を売る」から「信頼を売る」へ。📊📦