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第26回林業雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社晋林業、更新担当の中西です。

 

労働安全衛生とチーム運用:現場を強くする

 

安全は“コスト”ではなく 利益の前提条件
KY/TBM、ヒヤリ・ハット、熱中症・騒音・メンタルケアまでを
チーム運用の型として定着させ、事故ゼロ+強い現場を実現します。


① 朝礼(TBM)10分の黄金パターン ⏰

手順 内容 ポイント
1️⃣ 今日の作業内容 地図・配置図で“見える化”
2️⃣ 危険ポイント3つ 具体+対策セットで伝える
3️⃣ 退避・集合合図 緊急連絡網と避難方向を全員で確認
4️⃣ 体調確認 暑熱・睡眠・薬服用などを共有
5️⃣ 役割分担 「誰が・何を・いつまで」を明確化

朝礼の目的は「今日の安全リズム」を全員でそろえること。


② KYカードとヒヤリ・ハット

  • KYカード=“書くこと”が目的ではない。
    → 対策が工程表に反映されたかをチェック欄で確認。

  • ヒヤリ・ハット報告

    • 目標:月10件/班(量が質を生む)

    • 形式自由:写真・手書き・音声メモOK

    • 表彰制度:商品券/休暇などでインセンティブ付与

⚙️ 小さな報告を積み上げるチームほど、大事故を未然防止できる。


③ 暑熱・寒冷・騒音・振動対策 ❄️

  • 暑熱対策

    • WBGT計で測定、閾値超→休憩頻度UP

    • 塩分タブレット・空冷ベスト支給

  • 寒冷対策

    • レイヤリング+防寒手袋+風よけ休憩所

  • 騒音対策

    • イヤマフ常用(チーム無線と両立するモデルを選ぶ)

  • 振動対策

    • チェンソー/刈払機の連続使用上限を設定

    • 防振手袋+作業交代制


④ メンタルと疲労管理

  • 過重サインの兆候
    → 遅刻・集中力低下・ミス増=疲労シグナル

  • 対応:早期に配置転換・作業負荷調整

  • 1on1ミーティング

    • 週1回10分、リーダーが“聞く”時間

    • 未消化の不満・疲労を可視化する場を設ける

メンタルケアは“特別”ではなく日常の点検項目


⑤ 事故時の初動:60分行動計画 ⛑️

フェーズ 時間 内容
T+0〜5分 現場停止/二次災害防止/119・上長へ連絡
T+5〜15分 応急処置(気道・出血・搬送準備)
T+15〜60分 現場保存・写真記録・関係機関連絡/SNS発信禁止

初動60分が再発防止の基礎データを決める。
SNS発信・個人撮影は厳禁


⑥ シフトと教育:多能工化で強くなる

  • 2in1配置
    (例)重機+チェンソー/左官+防水
    → 欠員に強く、応急対応力が上がる

  • 新入者ロードマップ(30-60-90日)

    • 30日:安全基本(PPE/KY/通報)

    • 60日:技能レベル(工具/設備操作)

    • 90日:品質・原価・改善提案

“多能工化”は安全×効率×雇用安定を同時に高める鍵。


⑦ KPIとレビュー

KPI項目 目的
休業災害件数 安全指標の最重要KPI
ヒヤリ報告数 未然防止活動の量的評価
TBM実施率 朝礼・情報共有の質を担保
教育達成率 人材育成と定着率に直結
欠員補完率 組織耐性・業務継続力の指標
  • 月次レビュー
    「事故=原因 × 対策 × 再発防止」を1枚図にして全班共有。
    失敗の共有速度が安全文化を育てる。


⑧ 表彰と文化づくり

  • 安全MVP:ヒヤリ報告・改善提案・模範行動を評価

  • 改善提案賞:現場発アイデアを表彰

  • 表彰頻度:四半期ごと(年4回)
    → 安全行動が“称賛される文化”を作る

安全文化=“叱る”ではなく“褒めて広げる”。


✅ 現場で今日からできる3つ

1️⃣ 朝礼で危険ポイント3つを地図にマーカーで描く
2️⃣ ヒヤリ投函箱を設置(月10件/班目標)
3️⃣ 事故時の60分行動計画をラミネートして重機に常備


✨ まとめ

安全は“守るためのコスト”ではなく、
「生産性・信頼・人の定着」を高める投資。

チームが同じ地図を見て、同じ行動パターンで動ける現場は、
事故も離職も減り、利益率が上がります。‍♀️‍♂️